大型の迷い鳥では断トツで多い鳥ですが
ワシントン条約にて「サイテスⅠ類」に分類されているという理由から
他の迷い鳥を保護した場合と事情が変わってきますので、必ずご確認ください。
(2022 年 6 月 22 日時点版 /2022 年 9 月 29 日修正)
57pからオウム目
保護の流れ・対応の違い
2016年10月3日のワシントン条約会議にてサイテスⅠ類に分類されたヨウムに関しては
種の保存法に関わる生物の拾得物となり、警察への拾得物届けが必須です。交番ではなく可能な限り警察署へ届け出をしましょう。
そして警察からの自然環境研究センターへの連絡が必要になります。
一般との対応比較
警察への拾得物届けは一般と共通ですが、ヨウムの場合はそこからの流れが全く変わってきます。
足環について
足環がない場合
足環がない場合でもマイクロチップが入っている見込みがあれば
リーダー読み取りを動物病院で行い、確認ができる可能性もあります。
その番号を元に警察から自然環境研究センターへ要請し、飼主情報を提供できます。
ヨウムと法律
ヨウムとは
ヨウムはオウム目インコ科の鳥類で、アフリカ西海岸の森林地帯に分布する大型インコの仲間です。
グレーの身体に黒いクチバシ、赤い尾羽が特徴的です。
繊細で神経質な面もありますが大変知能が高く、世界的にも人気の高い鳥です。
それ故にビジネスによる乱獲・密輸などが相次ぎ、野生個体数の減少が危惧されています。
ヨウムの写真をもっと見る
コイネズミヨウム
ヨウムの仲間であるコイネズミヨウムも、同じくサイテスⅠ類となるので同様の対応が求められます。
ヨウムよりかは少し小柄で、クチバシが真っ黒ではなく、尾羽は黒っぽく、くすんだ赤なのが特徴です。
コイネズミヨウムの写真をもっと見る
CITES(サイテス)Ⅰ類について
CITES(サイテス)とは、日本では別名ワシントン条約とも呼ばれ
希少生物を保護するための国際条約です。
サイテスはⅠ、Ⅱ、Ⅲと規制の厳しい順に分類されており
飼い鳥として流通しているヨウム、そして一部のインコやオウムについても国際希少野生動植物として
最も厳しい付属書Ⅰ類、サイテスの中でも特に絶滅が危惧される種に掲載されており
現在は商業目的の輸出入が禁止されています。
CITES(サイテス)
和名:ワシントン条約
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
野生動物・植物の国際取引を規制することを目的としています。
付属書Ⅰ:絶滅の恐れのある種。商取引は原則禁止。
付属書Ⅱ:将来絶滅の可能性のある種。商取引可能。
付属書Ⅲ:自国の動物の規制が必要と加盟国が判断した種。商取引可能。
ヨウム以外のⅠ類について
この記事では、大型インコ・オウムの中ではヨウムの飼育数が多く、それと比例してロストも多くあること
そしてサイテスⅠ類への掲載が比較的新しいことを鑑みてヨウムに焦点を当てておりますが
- キエリボウシインコ含む多くのボウシインコ類
- コバタン・オオバタン
- ニョオウインコ
など、他にも飼い鳥として流通しているインコ・オウムは多く存在していますので
以下のリンクからご確認ください。
(2022 年 6 月 22 日時点版 /2022 年 9 月 29 日修正)
57pからオウム目
飼う=違法ではない!
ただし、先の一般との対応比較で触れている通り、
飼い主さん以外が保護したヨウムを警察の届け出後にそのまま一般個人宅で保護できるわけではありません
参考
自然環境研究センター
〒130-8606
東京都墨田区江東橋3丁目3番7号
TEL:03-6659-6310(代表)
FAX:03-6659-6320(代表)
飼い主さん向け
本記事は保護主さん向けの記事になりますが、サイテスⅠ類への掲載以前からヨウムを飼われていらっしゃって個体登録・更新をお済ませでない場合には自然環境研究センターから登録申請ができます。
参考リンクでメリット分かりやすく説明されていますので、ぜひご検討頂けましたらと思います。
制作協力
この記事はヨウムを飼育されているvanillaさんからお声がけ頂き、ブログ記事についても参考にさせて頂きました。情報提供・ご協力について、この場をお借りして御礼申し上げます。
冒頭イラスト:文鳥デイズさん